第4回 オープンキャンパス 開催!
8月に入って蒸し暑い夏日や猛暑日が続いていましたが、当日は明け方からの激しい雨のために県内の公共交通機関にも影響が出て、JRの運休などで残念ながら参加できなかった方もおられました。オープンキャンパスの開始と終了の時間帯は幸いにも雨もほとんど降らずに無事開催できました。こんな不安定な天気にもかかわらず、今回も沢山の方に参加していただきました。ありがとうございました。
今回の学科体験では県内で唯一、理学療法学科・作業療法学科・言語聴覚学科 の3学科が有る本学院の特徴を活かし、共通のテーマを決めて、理学療法士・作業療法士、言語聴覚士がどう関わるのか?を理解していただこうという説明&体験でした。
学科別体験の開始前に、共通のテーマである「脳卒中」という病気について理学療法学科の学科長より説明がありました。
(学科別体験と並行して保護者の方を対象とした学校概要の説明会も実施しました。)
◯ 「脳卒中」についての説明を聞いた後に、3学科に分かれて、「脳卒中の患者様に対して、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士がどう関わるか」 をメインテーマに、 それぞれの職種による役割などの説明を聞いたり、体験をしたりしました。
◇理学療法学科
テーマ 「脳卒中の理学療法」
講義:脳卒中になってしまったら ・・・ どう動いたら良いの?
体験:起きてみよう! 座ってみよう! お風呂に入ってみよう!
①脳卒中後の理学療法の説明と体験の前に、まずはいつもの学科紹介ということで、理学療法学科の教育方針や国家試験対策についての説明を聞いていただきました。
②理学療法では、発症後のできるだけ早い段階から座ったり立ったりする練習をします。杖で歩けるようになったら、階段や屋外を歩く練習をします。今回は廊下をサーキット形式にして、杖で歩いたり車いすを操作する体験をしていただきました。
③基本的な動きができるようになると、次は日常生活に必要な動作の練習をします。お風呂に入ることは、患者様にとって難しい課題となります。在校生(3年生)が授業で段ボールなどで作成したお風呂(学生の自宅のお風呂をモデルに作成した物です)に、在校生がお手本を見せながら説明した後、片まひの状態で入ったり出たりする体験をしていただきました。(写真下)(ちなみに、カラーボールはお湯の代わりです)
実際に体験してみると、半身が動かない大変さが実感できたのではないでしょうか?
◇作業療法学科
テーマ 「脳卒中後の作業療法 ~その人の望む生活の実現に向けて~ 」
講義・体験:教員とモデル患者(学生)の演じる作業療法の場面を学生が解説します
①麻痺した手で“背中を洗う”練習場面を再現しました。右手の麻痺を演じてくれた学生も成りきっていました。案内役の学生も実際に生活の中で麻痺した手を使うことの重要性を参加者に伝えることができていました!(写真下左)
“釣竿を振る”という目標達成のために肩の運動を中心に行っているところです。輪を運びながら目標達成へ前進しています。(写真下右)
②在宅での訪問リハビリテーションの場面を再現しているところです。右片麻痺の方を演じてもらった学生も、何度も畳から立ち上がる動作を繰り返す中で上手にできるようになりました。(写真下左)
③このコーナーでは、山コメの作業療法学科の魅力について紹介しました。高い国家試験合格率を保つ秘訣や、平成28年から新設した“地域セミナープログラム”(学生自ら企画し地域に出て調査・取材活動等を行うプログラム)、様々な障害を持たれた当事者の方々から直接貴重なお話を聴く授業が多いことなどについての説明を聞いていただきました。
作業療法は筋力の向上や関節可動域の拡大、気持ちをコントロールするといった基本的な能力だけでなく、それらを実生活の中の動き、活動として使いこなす応用能力、社会適応能力など、対象者がその人らしい生活を再獲得することを目標に支援する素敵な仕事です!!今回は、そのほんの一部を体験していただきました!
◇言語聴覚学科
テーマ 「脳卒中後の言語聴覚療法 ~飲み込みの障害とは?~」
講義:食べ物が飲み込めなくなったら、どうなるの!
体験:「食べたいけれど、食べられない」 嚥下障害者の気持ちを体験してみよう!
①参加者の方がペアになって、嚥下(飲み込み)の機能を評価する検査を体験していただきました。「30秒間で何回唾液が飲み込めるか?」という検査で、のど仏に手をあてて調べます。今回の参加者の方の最高記録は26回でした。
※反復唾液嚥下テスト(RSSTテスト)・・・30秒間で唾液が3回以上飲み込めたら正常。
※嚥下障害(食べ物を上手に飲み込めない状態)は、誤嚥性(ごえんせい)肺炎の原因にもなります。
②一人の患者様の入院~評価(検査)~訓練~退院までの流れを通して、言語聴覚士の仕事の説明を聞いていただきました。
レントゲンを使用した、嚥下造影検査の写真です。(写真下右) 実際には、食べ物を飲み込んで、飲み込んだ物がどこを通るかを動画で見ながら正常か問題が有るかを判別します。参加者の方にも動画を見て判別していただきました。
人間の楽しみの一つである「食べる機能」を取り戻す指導(訓練)も言語聴覚士の仕事です。
◯今回の体験や説明を通して、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が、「脳卒中」の患者様に対してどう関わるのか?それぞれの役割や違いが理解していただけたでしょうか?
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士で迷っている方も、進路を決めるのに少しでも参考になったでしょうか?
次回(9月21日)の第5回 オープンキャンパスでは、いよいよ出願直前ということで、「出願」や「入学試験」の説明や、今回とは違った内容での学科体験もあります。
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